自律神経失調症により起こるめまい、耳鳴り、頭痛、不安感、動悸などに有効な誰でもできる46個のことを2回にわたり、お送りします。
症状で苦しんでからより、苦しむ以前、調子のよい時からこのことを行うと効果的です。
自律神経が乱れる理由
まずは自律神経が乱れてしまう理由について知っておきましょう。
自律神経が乱れる理由は大きな理由が一つあり、一気に乱れるのではなく、細かいことが繰り返し、そのようなことが蓄積された結果自律神経が乱れ、めまい・耳鳴り・パニック・不安・頭痛などの苦しい症状になってしまうのです。
症状で苦しんでから46のことを行うことも有効ですが、症状を遠ざけるために日々行うことがおすすめです。
また、自律神経を整えておけば快適に過ごせると現代医学も認めています。
下記をご参考ください。
わたしたちの生命活動を、24時間、365日支え続けているもの――それが自律神経です。自律神経は、わかりやすくいえば内臓器官のすべてを支えており、とくに血流をコントロールしています。たとえば、わたしたちが意識しなくても心臓は自律的に動いていますが、それは自律神経の働きのおかげ。また、呼吸も自律神経がコントロールしていることを思えば、まさに、わたしたちの生命活動の根幹を支えていると見ることができるでしょう。
名医が教える「自律神経」を整えるもっとも簡単な方法/順天堂大学医学部教授・小林弘幸
方法① 適度な運動を行う
5分から15分間、リズム運動を行います。
ウォーキングがおすすめです。
ペースはゆっくり、歩くことに集中して行ってください。
ガムを噛むのもとても良いです。
アメリカの野球選手がガムを噛んでいる姿をTVでよく見ます。
科学的に心が落ち着くことが立証されています。とても理に適っているのです。
方法② PC・スマホ・TVを見る時間を減らす
PC・スマホ・TVの画面からはブルーライトという強い光が出ています。
強い光が自律神経を乱します。
仕事などでどうしても、長時間、作業する場合はブルーライトカットの眼鏡を掛けましょう。
ものすごく変わるわけではありませんが、「なんかいいかも?」と思えます。
「なんかいいかも?」を繰り返していると、症状は改善されていきます。
方法③ 何事もゆっくり丁寧に
余裕をもって行動に移すと、自律神経は乱れません。
その瞬間を味わうように、丁寧を心がけると心が落ち着きます。
方法④ 自然の中に身を置く
休日に遠出をし、山へ行くのも良いですが、一日一回緑のある近所の公園へ行くだけで、心が落ち着きます。
私は必ず昼休みに徒歩15分で行ける小さな公園へ行きます。
その公園に、行ったか行かないかで1日の終わりの疲れ方が変わります。
こういった細かいことの積み重ねで自律神経の乱れを整えることができるのです。
方法⑤ 自然の写真を見る・自然音を聞く・観葉植物を見る
自分から見える位置に観葉植物を置いたり、自然の写真を眺めるだけでも違いが出ます。
音楽は自然の音がおすすめです。
自律神経がひどく乱れた患者さんに、職場環境がひどい方がいらっしゃいました。
観葉植物もない、無機質なコンクリート打ちっぱなしのオフィスで、誰と会話することなく、黙々と丸一日PCと対面する仕事をされていました。
昼休みは、出社する直前に買ったコンビニ弁当を、そのオフィスで食べることが日課でした。
そこで、PCのわきに小さな観葉植物を置いてもらい、昼食は近くの公園で食べてもらいました。
直後に変化はなかったのですが、不思議と週末の疲れが軽くなったと感想をいただいたことがあります。
あきらかに自律神経の乱れが、これだけのことで軽減されているのです。
方法⑥ 笑顔で姿勢よく
不機嫌な表情していると、交感神経が高まります。
背筋を伸ばし、顔を上げていると、気道が開き、呼吸がスムーズになり副交感神経が優位になります。
しかし、猫背を無理やりただすと背中の筋肉に負担がかかります。
猫背の方を施術していると大半は骨盤が歪み、腰がそり、そのしわ寄せで、猫背になり、首に負担がかかっている場合が多いです。
骨盤のゆがみを整える体操と体の負担が少ない歩き方を行うことで姿勢は無理せず良くなります。
ご参考までに体操動画です。
方法⑦ 譲る
競争意識を捨て、勝ち負けではなく、相手を敬うだけで不思議と、心が落ち着きます。
方法⑧ 水を飲む
ゆっくり水を飲むことで、自律神経が整います。
私が子供のころに見たTVドラマでは、慌てふためきやってきた人に「まあ、とりあえず水を飲みな!!」と言い、汲んできた水を飲ます場面あり印象的でした。
水を飲むと胃結腸反射という生体機能が働き、慌てていた人を落ち着かす機能が人には備わっているのです。
方法⑨ デジタルとの共存
スマホ・PCを使用すると、自律神経は乱れます。
しかし、便利ですし、今の世の中なくては生活ができない場合が多いです。
デジタルデトックスができれば一番良いのですが、そうもいきませんね。
機械に使われないようにしましょう。(知らず知らずのうちに1時間SNSをチェックしていた。など。
メール、SNSを確認する時間を設定する
絶え間なくメールやSNSをチェックし、返信していることを繰り返していると気づいた時には、自律神経が乱れています。
私は朝、職場につきパソコンを開き1回目のメールをチェックし返信します。
2回目は昼休み 3回目は帰宅前
このとき一緒に調べ物も行います。
事前に疑問に思っていたこと、必要なものをメモしておきます。
一気にこの3回の時間で終わらせます。
無駄に必要のないことに時間を使わず
自分のペースでいられ、惑わされることなく、主体性を持つことで、心を無駄に乱しません。
方法⑩ 計画を立てる
やるべきことがたくさんあるとき、いったん手を止めて、優先順位をつけます。
期日、重要度で順番をつけると計画が立てやすいです。
漠然と忙しくしていると効率も悪く、あたふたしてミスも多くなり、自律神経を乱します。
また、一気に物事を終わらせようとすると自律神経は大きく乱れます。
今やらなくてはいけないことに集中します。
集中し没頭していると不思議と自律神経は整います。
方法⑪ 旅行へ行く
人の意識は安定を求め安心したいのですが、根源的なところでは変化を求めています。
日常生活を大きく変化させることは、なかなか難しいものです。
そこで旅行へ行くのです。
知らないところに行くために、事前に情報を集め、チケットを取り、なかなか労力がいるものです。
この作業も日常にないので新鮮です。
見たことのない風景を見て、初めて会う人と接する。
いつもの日常から遠ざかることで、気持ちは興奮と弛緩を繰り返します。
自律神経に良い刺激が与えられ、活性化します。
泊まりがけでなくてよいです。
私は半日の一人旅行によく出かけます。
また、2週間に一回は一人で喫茶店や食事に行くことを決めています。
基本的に出不精なので、コーヒーは家で淹れたもの、昼食は作ってきた弁当をたべています。
それを繰り返し、外部の刺激を受けないでいると、気付いた時にはストレスが溜まり
調子を崩し不安が強くなっています。
なるべく、個人的に苦手な、いったことのない店にチャレンジします。
人の表面は安定を求め、根源は変化を求めています。
ここを念頭においておけば、自律神経が乱れている理由がわかります。
方法⑫ 悪条件に身を置く
冬ならばあえて薄着をして外に出ます。夏ならば暑い日差しに身をさらします。
ただし、短時間です。
その後快適な暖房の効いた部屋、またはエアコンの効いた店などに入ります。
ありがたさを感じますね。
私は事情があり2年半、山の中で肉体労働をしていました。
雨が降ろうが炎天下だろうがいつも外で作業をしていました。
その仕事のおかげで、今でも雨が降っている日に、心のどこかから
「今日も濡れないですむ。」と安堵感に胸をなでおろすのです。
当たり前のことは当たり前ではないのですね。
方法⑬ 苦手なことに挑戦する
手慣れていて、簡単にできることを行っているとき、余計なことを考える余裕があります。
しかし、苦手なことは片手間ではできません。余計なことを考える余裕はありません。私は一本歯の下駄で歩きます。気が張っていないと転びます。
アイススケート、ローラースケート、木登り、ボルダリングなどおすすめです。
少しの危機感を持つことで瞬間を没頭でき、自律神経が整います。
方法⑭ ボランティア
人は人の役に立ちたいと根源的に願っている存在です。
しかし、大それたことを行う必要はありません。
実家に住んでいたり、自分の家族をお持ちであれば、自分以外の人の洗濯を行ったり、食器洗い、掃除などを行えばよいのです。
私はうつになり、極度の対人恐怖症で外へ出れなくなったとき、家の洗濯ものをたたむことから始めました。
あの一歩を踏み出したことで、今があると思えるのです。
何の気力もわかず、ひどい頭痛が絶え間なく続き、一歩を踏み出すことが苦痛でした。
しかし、「今のままでは生きながら死んでいる、何とかしなくては。」と重い一歩を踏み出したことを思い出します。
自分の思いとは違う何かがあの時から動き出した感じがあります。
今では当たり前のように食器を洗い、掃除をしております。
この行動が自律神経を整えているのです。
また、何か落ち着かないときは、職場から歩いて15分範囲の歩道のごみを拾います。
不思議と落ち着きます。
方法⑮ 考え方を変える
改めて、自分のストレスを観察してみると気づきが生まれます。
意外と、自分の意思で変えることができるストレスがあることに気づきます。
自分の意思で変えることのできるストレスの原因は、変えましょう。
「寒い、暑い。」
我慢しないで、着るものを変えたり、エアコンなどを使って改善しましょう。
この単純なことをしていない場合が多いです。
そして、疲れた時は休みましょう。
自分に優しくしましょう。
対人関係のストレスは自分が作っていることがあります。他人や行動をジャッジしたり競争意識を無意識に行っているとストレスです。
そこに気づくだけで、ストレスは軽減します。
方法⑯ 空腹を避ける
日本で育つと、朝、昼、晩、一日三食が当たり前になっています。
一日三食ではなく食事回数を増やすことで、血糖値の乱高下を避けます。
自律神経を乱す原因に血糖値の乱高下があります。
私自身も何度も経験をしています。
空腹時に炭水化物を食べた後、不安感が増し、耳鳴りの音が強くなったり、めまいが急に発症したりしました。
注意:回数は増やしますが一日の食事量は同じにします。
方法⑰ 腸内環境を整える
治療院を訪れる患者さんで、不安の強い人は便秘、下痢を併発している場合がとても多いです。
腸と脳は直接繋がっています。
大事なことがある前に食欲がなくなったり、おなかがいたくなったことがありませんか?そして、大事なことが終われば何事もなくなっていたことがありませんか?
中学1年生、男の子の例です。
治療院を訪れる6か月前に、真夜中に急激な腹痛で目を覚まし、1時間後痛みが治まり、二度寝をし、朝目覚めると、不安が強くなり、ひどい倦怠感で学校に行けなくなっていました。
病院へ行くと「特に異常なし」と言われ「起立性調節障害」と診断を受けていました。
その後、頻回に腹痛が起こり、朝起きると絶望的な不安と倦怠感で学校を休むことが増え、私の治療院に来た時には、気持ちも塞ぎ、学校へまったく行けなくなっていました。
私は彼に、自律神経を整える生活を送ってもらい、それプラス、腸内細菌を増やすため、納豆、ヨーグルト、味噌汁、甘酒、腸内細菌のえさとなる食物繊維の多い切干大根、ごぼうなどの食材を多く食べてもらいました。
塞いでいた気持ちも晴れ、不安は軽減し、腹痛も収まり、学校へもいけるようになりました。
自律神経のバランスに腸の状態が、深くかかわっています。
発酵食品・食物繊維・整腸剤
腸内環境を整えるには発酵食品の種類を多くとってください。また、腸内細菌の餌となる食物繊維を多く食べます。
整腸剤もおすすめです。2週間整腸剤を飲んで効果が感じられない場合、ほかの整腸剤を飲んでください。
方法⑱ 何もしない時間を作る
自律神経のバランスを乱しやすい方の特徴に、先読みをしすぎる傾向があります。
だから絶え間なく、脳を働かし不安を自身で煽っているのです。
私もその典型です。
時間がもったいなく思い、治療と治療の10分ほどの空き時間に、事務仕事を行っていました。そこをあえてゆったり座り、何もしないことにしました。
明らかに、一日の終わりの疲れが違います。
方法⑲ 何か嫌なできごとがあったり、嫌なことを思い出したら、その場から離れる
同じ場所に居続けると、不安な思いにとらわれます。そこで場所を変え、行動に移します。階段を上り下りや。掃除や洗い物などの家事を真剣に行います。
100あった不安な感情が0にはなりませんが、明らかに減ります。
方法20 偉人の名言を読む
偉人の名言には力があります。
偉人たちが必死になり、体現した生きた言葉なので力があります。
自分の力だけで、心の問題が解決できないとき、光明となる力があるのです。
注意点:今の自分が欲している「ピン」と来た言葉です。
私が、うつ状態のときに論語を読んでいました。
読めば読むほど「自分はダメな人間だ」と悲観して、落ち込みました。
元気になり、感動する言葉がよいです。
名言の例
光るためには暗闇を必要とする。
船荷のない船は不安定でまっすぐ進まない。
一定量の心配や苦痛、苦労は、いつも、だれにも必要である。
1年目には種をまき、2年目には水をやり、3年目には花を咲かせましょう。
僕は運命を信じないのです。ただ実力を磨くことだけを信用しているのですよ。
沈黙している者も非難され、
多く語る者も非難され、
少し語る者も非難される。
世に非難されない者はいない
他人を知ることより、自分を知ることの方がむずかしい
自分を知る者を、真の賢者というのだ
他人に勝つことより、自分に勝つことの方がむずかしい
自分に勝つ者を、真の強者というのだ
恥じればこそ、人間は勉強もし、進歩もするのだ。
他人と比較して、他人が自分より優れていたとしても、
それは恥ではない。
しかし、去年の自分より今の自分が優れていないのは
立派な恥だ。
私が自分だけのために働いているときには、
自分だけしか私のために働かなかった。
しかし、わたしが人のために働くようになってからは、
人も私のために働いてくれたのだ。
人生の偉大な目的とは、知識ではなく行動である
垣根は相手がつくっているのではなく、自分がつくっている。
愛というものは、愛されるということよりも、むしろ愛することに存する。
方法21 ほとんどが妄想であると理解する
嫌な出来事や、次にやらなくてはいけないことを思い出し不安になり、焦り、感情的になり、自律神経を乱すことが多々あります。
「過去の経験に照らし合わせ、未来を不安に思う。」
とてもエネルギーを浪費します。
もったいないです。
嫌なことを思い出したら⇒「今嫌なことを思い出している」と言葉にします。(心の中で)
次に「これは現実ではない」と言葉にします。⇒今行っていることに集中します。
作業をしているのであれば作業に集中し、何も行っていない場合は、呼吸や足の感覚に集中します。
私は20代のころ毎日ランニングを日課にしていました。
走っていて苦しくなると「左足の薬指は今どうなっているか」確かめていました。
意識を体の一部に変えることで、苦しさから離れることができ、続けて走ることができました。
感情に飲み込まれる前に、意識を変えます。
続けていると、不安が遠のいていきます。
方法22 生活の場を分ける
同じ場所でご飯を食べ、同じ場所で勉強し、同じ場所で寝る。
別段問題ないように思えますが、自律神経を乱しやすい人にはここが問題になります。
生活の場所を分けるだけで、無意識に気持ちが切れ変わります。
一部屋しかないという場合は、そのスペース内で生活の場を分けましょう。
私の治療院は9坪のワンフロアです。
治療用のベッドがある場所では治療しか行いません。
パソコンを使用するときはパソコンを使う位置で、食べ物を食べるときは食べ物を食べる位置で食べます。
あなたのいつもいる部屋でも、場所を変えれば、気持ちが切れ変わります。
気持ちの変化を体験できなくても、些細な変化を繰り返していると自律神経の乱れは変わり不安が弱まります。
方法23 無駄な反応をしない
不安の強い、自律神経を乱しやすい方は生まれ持って、脳が過敏なため、気づかないうちに、様々なことに反応しています。
治療院を訪れる患者さんは、意識的に感じるわけではないのですが、前日に治療院で使用したアロマオイルを感じ「今日は匂いが違いますね。」とかすかに残った香りを自然に話されます。
少しだけ模様替えを行うと「なんか部屋の雰囲気が変わりましたね。」と気が付かれます。
治療院の入り口は自動ドアなのです。そのドアに治療院のキャラクターのステッカーが貼ってあります。
入口の前に立った瞬間に、自動ドアが開くので、その絵を見るのはほんの一瞬です。
開院8年目ですが保険治療メインで行っているときに1回だけこのステッカーについて言われただけですが、自律神経失調症をメインで施術を行い始めると、通院される患者さんの多くが「かわいいですね。」「誰がつくったのですか?」と言われることがとても多いです。
脳が過敏でない方と、直接シュアしない限り、感じている違いを知ることはありませんが、明らかに光(色も含む)音、匂い、動いているものに反応しているのです。
だから、疲れてしまうのです。
一か所にとどまって一つのことに集中しているときはあまり疲れません。しかし、人混みや車が多いところなどにいるだけで疲れるのです。疲れた時には自律神経は乱れています。
疲れを感じたら、安全な場所を確保し、目をつぶり一旦休みましょう。充電すればまた動けます。
私はショッピングなどで疲れてきたら、少し薄暗い喫茶店に入り、手帳を眺めます。
待ち合わせの時はなるべく、動くものが少ないところで待ちます。
続く